医政発0329003号
保発第0329001号
平成14年3月29日

各都道府県知事・社会保険事務局長殿


厚生労働省政局長
厚生労働省保険局長


診療録等の保存を行う場所について
   

 医師法(昭和23年法律第201号)第24条及び歯科医師法(昭和23年法律第202号).第23条に規定する診療録については5年間これを保存しなければならないこととされるなど、診療を行った際に作成される記録等については、法令上、一定期間の保存義務が課せられているものがある.
 
その保存を行う場所については、これまで明示されていなかったが、これらの記録等が診療の用に供するものであり、必要に応じて直ちに利用できる体制の確保が求められること、取り扱われる情報を保護する必要性が高いこと等から、参療を行いこれらの記録等を作成した病院、診療所等とするものと解されてきたところである.
 
しかしながら、「診療録等の電子媒体による保存について」(平成11年4月22日付け健政発第517号・医薬発第587号・保険発第82号厚生省健康政策局長、医薬安全局長、保険局長通知.以下「平成11年通知」という.)により、一定の条件の下に診療録等の電子媒体による保存が認められたことから、電子媒体により保存された記録等については、作成した病院又は参療所以外の場所における保存(以下「外部保存」という.)、を行う場合であっても、ネットワーク等を利用することにより、必要に応じて直ちに利用することが技術的に可能となっている.
 また、平成13年12月26日に保健医療情報システム検討会によりとりまとめられた「保健医療分野の情報化にむけてのグランドデザイン最終提言」に
おいて、医簾分野の情報化のための基盤整備として「診療録等の施設外保存を認める通知の検討」が位置付けられていることから、今般、下記第1に掲げる診療録等の記録、(以下「診療録等」という.)について、下記第2の1に掲げる基準を満たす湯合には電子媒体による外部保存を認めるとともに、その実施に際し、留意すべき事項を下記第3のとおり、示すこととしたので、御了知の上、関係者に周知方をお願いする.
 併せて、これまで取扱いが明示されていなかった紙媒体のままでの診療録等の外部保存についても、下記第2の2に掲げる基準を満たす湯合には、これを認めることとする.
 この基準は、診療録等の外部保存を行うに際してのものであり、診療録等の
情報活用を行うに際しての基準ではないことから、各医療機関においては、保存された診療録等の情報が適正に利用されるように注意を払うよう、併せて関係者に周知方をお願いする.
 なお、本通知は、診療録等の外部保存を義務付けるものではない.
 おって、現在、高度医療情報普及推進事業により、外部保存に関するガイドラインについて検討を行っているところであり、この結果が取りまとめられ次第、参考として送付する予定であることを申し添える.

1 外部保存を認める記録等

  1. 医師法第24条に規定されている診療録
  2. 歯科医師法第23条に規定されている診療録
  3. 保健師助産師看護師法(昭和23年法律第203号)第42条に規定されている助産録
  4. 医療法(昭和23年法律第205号)第21条、第22条及び第22条2に規定されている診療に関する諸記録及び同法第22条及び第22条2に規定されている病院の管理及び運営に関する諸記録
  5. 歯科技工士法(昭和30年法律第168号)第19条に規定されている指示書
  6. 救急救命士法く平成3年法律第36号)第46条に虚定されている救急救命処置録
  7. 保険医療機関及び保険医療養担当規則(昭和32年厚生省令第15号)9条に規定されている帳簿等
  8. 歯科術生士法施行規則(平成元年厚生省令第46号)第18条に規定されている歯科術生士の業務記録

2 診療録等の外部保存を行う際の基準

  1. 電子媒体により外部保存を行う場合
    1. 平成11年通知2に掲げる基準(第1に掲げる記録の真正性、見読性及び保存性の確保をいう。)を満たさなければならないこと。
    2. 電気通信回線を通じて外部保存を行う湯合にあっては、保存に係るホストマンピユータ、サーバ等の情報処理機器が医療法第1条の5第1項に規定する病院又は同条第2項に規定する診療所その他これに準ずるものとして医療法人等が適切に管理する場所に置かれるものであること。なお、この取扱いは、電子媒体により保存を行う場合、情報が瞬時に大量に漏洩する可能性があり、かつ、情報の漏洩源を特定しにくいと考えられることを勘案したものであり、今後の情報技術の進展、個人情報保護に関する法整備の状況等を見つつ、引き続き検討し、必要に応じて見直しを行う予定である。
    3. 患者のプライバシー保護に十分留意し、個人情報の保護が担保されること.
    4. 外部保存は、診療録等の保存の義務を有する病院、診療所等の責任において行うこと。また、事故等が発生した湯合における責任の所在を明確にしておくこと。
  2. 紙媒体のままで外部保存を行う場合
    1. 第1に掲げる記録が診療の用に供するものであることにかんがみ、必要に応じて直ちに利用できる体制を確保しておくこと。
    2. 患者のプライバシー保護に十分留意し、個人情報の保護が担保されること。
    3. 外部保存は、診療録等の保存の義務を有する病院、診療所等の責任において行うこと。また、事故等が発生した場合における責任の所在を明確にしておくこと
  3. 3電子媒体により外部保存を行う際の留意事項
    1. 外部保存を行う病院、診療所等の管理者は運用管理規程を定め、これに従い実施すること。なお、既に平成11年通知により運用管理規程を定めている場合は、適宜これを修正すること。
    2. 1の運用管理親程の作成にあたっては、平成11年通知3(2)に掲げられている事項を定めること。